相続の手続きに欠かせない資料である戸籍謄本ですが、いざ、必要な戸籍謄本を揃えようとすると、思ったより大変な作業になってしまいます。
全ての戸籍謄本をそろえるだけでも2か月から3か月程かかるケースも多いです。
戸籍謄本の取得
相続の手続きの場合には、原則「戸籍謄本」の取得をします。
被相続人(亡くなった方)の戸籍謄本は、原則『生まれてから亡くなるまでのつながった全ての戸籍謄本』が必要になります。これは、相続人を確定する為です。
すべての戸籍謄本は本籍地のある市区町村役場でとることができます。
まずは、亡くなった方の死亡の記載のある戸籍謄本を本籍地の市区町村役場に請求します。
しかし、その戸籍謄本は、『平成○○年○月○日から亡くなるまで』の戸籍謄本でしかありません。
今の戸籍謄本はコンピュータ化されていますが、コンピュータ化された以降のことだけが記載されている戸籍謄本です。
ただ単に「戸籍謄本が欲しい」と言って役所に請求しても、この最新の戸籍謄本だけを出してくれるだけです。
出生、結婚、死亡等の人生のイベントは書かれていますが、それ以前のことは書かれていませんので、その戸籍謄本には相続人が全員載っていないかもしれません。
以前、結婚していて、前の配偶者との間の子供がいるかもしれません。。等など。。この戸籍謄本だけでは、相続人の確定が出来ないのです。
この戸籍謄本からさかのぼる作業を始めます。
また、過去に転籍をしていることもあります。引っ越しの度にその住所に転籍をする方もいらっしゃいます。
その場合は、その前の本籍地の役所に戸籍謄本の請求をします。
結婚で他の戸籍から入籍している場合には、結婚前の戸籍謄本も追います。
転籍前、結婚前の戸籍謄本も1通とは限らず、数通になることがほとんどです。
本籍地が近くなら良いですが、遠い場合、郵送請求をします。この場合、定額小為替を必要額同封して請求をします。戸籍謄本が戻ってきたら、そこからさかのぼる必要があればさらに次の役所に請求します。
次に、全て揃えた戸籍謄本が全てつながっていること、相続人を確定するために相続関係を把握する必要があります。しかし、やっと揃えた戸籍謄本ですが、古い戸籍謄本になればなるほど、当時の戸籍吏(戸籍係)は達筆なので、読みとることが困難な場合があります。
生まれてから亡くなるまでのその全ての戸籍謄本(5通から10通以上になることもあります)をつなげてみて、初めて『この方の全ての相続人はこの人達だけです』と証明することが出来るのです。
戸籍謄本の取得、相続人の確定は司法書士にご相談下さい
以上の通り、相続の手続きに必要な戸籍謄本の収集には、大変な労力がかかるうえ、せっかく集めた戸籍謄本を読み解けない、相続人が分からない、といった問題が生じる可能性があります。
相続人を確定するには戸籍に関する知識が必要です。ぜひ司法書士にご相談ください。