相続時精算課税とは?暦年課税との違い

相続時精算課税とは、65歳以上(平成27年1月1日以降の贈与については60歳以上)の親から20歳以上の推定相続人(平成27年1月1日以降の贈与については、推定相続人及び孫)への贈与(住宅取得資金の場合にはについては「65歳以上の両親」の制限なし ※ただし、平成26年12月31日までに贈与した場合)について、2,500万円まで贈与税がかからなくなる、というものです。

相続時精算課税を選択した贈与者ごとに、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産評価額から2,500万円(累計2,500万円に達するまで複数年で控除が可能です)を控除した残額に対して贈与税がかかります(贈与税の期限内申告書を提出する場合のみ、特別控除することができます)。

また、前年以前にこの特別控除の適用を受けた金額がある場合には、2,500万円からその金額を控除した残額がその年の特別控除限度額となります。

2,500万円を超える部分には、一律に税率20%で贈与税が課税されます。
ここで支払った贈与税は相続税の前払いの性格を持ちます。

将来相続が発生した時に、相続時精算課税制度により贈与をした財産は、相続財産に含まれ相続税が課税され、贈与税を支払っている場合には、その贈与税額を相続税額から差し引くこととなります。

相続時精算課税制度を適用する場合は、贈与者及び受贈者に下記の要件が必要となります。

財産を贈与した人(贈与者)・・・65歳(注1)以上の親
(平成27年1月1日以降の贈与については60歳以上)

財産の贈与を受けた人(受贈者)・・・・・20歳(注1)以上の子である推定相続人(注2)
(平成27年1月1日以降の贈与については推定相続人及び孫)

(注1)年齢は贈与の年の1月1日現在で判定します。
(注2)子が亡くなっている場合、20歳以上の孫を含みます。

「相続時精算課税」を一度選択してしまうと、従来の「暦年課税制度」には戻せません。

相続時精算課税と暦年課税との比較

相続時精算課税制度暦年課税
贈与者65歳以上(平成27年1月1日以降の贈与については60歳以上)の親(住宅取得資金の場合には制限なし※ただし、平成26年12月31日までに贈与した場合)誰でもよい
受贈者20歳以上の贈与者の推定相続人
(平成27年1月1日以降の贈与については推定相続人及び孫)
制限なし
基礎控除2,500万円年110万円
(毎年利用可)
税率非課税枠を超える部分に対して一律20%10%~50%
(平成27年1月1日以降の贈与については10%~55%)
相続時の
取り扱い
贈与財産を贈与時の価額で相続財産に合算して相続税を計算し、相続税額から相続時精算課税による贈与税額を控除します。
控除しきれない贈与税は還付されます。
相続開始前3年以内の贈与財産は、贈与時の価額で相続財産として加算します。
相続財産として加算された贈与財産に対応する贈与税額がある場合には、相続税額から控除し、控除しきれない部分は切り捨てます。

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